報復にかかわる妖しく哀しい人間模様を描いた怪異物語。
ちょっぴりオカルト風味、でも重厚すぎず、かといって読み応えはしっかりあって、しかもほんわかラブのある作品が読みたいなぁ〜と、探していてぴったりとしたのを見つけてしまいましたよん。無理な要求とも思ったのですが…やっぱり見つけたら小躍り♪どこかのサイトと似たよう名前なのも親近感を覚えた原因かも……。
蛟堂報復録〈1〉 蛟堂報復録〈2〉
蛟堂報復録〈3〉 蛟堂報復録〈4〉
↓ネタバレ注意
中編を集めた感じの構成です。最初の作品が「道成寺」ということで、ちょっとありがちかな…とも思いましたが、その他の作品は作者の独創性がいろいろとかいま見られて……まんまと引き込まれました(笑)
報復にあたり、その人物に合った昔話やお伽話、童話といったものを題材にするところが面白いです。ただ、作品的には好き嫌いが別れるでしょうね。報復が生ぬるい……とか。陰陽師である必要性は……とか。香月的にはちょうどようござんす(・o・)
登場人物ですが、主人公の辰史(ときふみ)が『あくどい守銭奴』という設定にひねくれものの香月はがっつり飛びついてしまいました。いい年している彼が兄弟や従兄弟や甥っ子達にはかなり高飛車なのに、亡き祖父には「お爺様」と「様」付けして心底尊敬しているところなんかもツボ。まー、兄弟や従兄弟や甥っ子達も主人公に容赦ないので、この絡み合いはこれから先がとても楽しみです。従兄弟の丑雄なんて、主人公の辰史の所行をいさめようと本気で殺そうとしています。えええ〜。香月的には丑雄が青すぎると思うので……巻き込まれる辰史が少し哀れかなと……。甥っ子には、もう少し辰史のことを分かって欲しい気がする。まー、太郎君も瑠璃也君もまだまだ甘ちゃんだからなぁ〜。
そして……やっぱりラブ(・∀・)°゜
辰史の彼女さん・比奈がとってもラブリィです。辰史が小さかったころから彼女は辰史の夢に出続けていたらしく、さらに狐に憑かれているあたり、この二人の間にも何やら今までにいろいろあったぽいのですが……まだ描かれていません。あぁ〜気になるぅ〜。
というわけで、続巻を期待するのであります。
●
Nosferatu (作者公式HP)
close ?